台湾の “巡道車” を見に行く

横浜の原鉄道模型博物館に、台湾から鉄道車両が運ばれてきて展示されているというので見に行ってきました。

台湾製糖 巡道車 111号


原鉄道模型博物館 と友好議定を締結している、台湾 高雄市立歴史博物館との企画の一環で、台湾糖業股份有限公司の烏樹林工場内で動態保存されている車両なのだそうです。

かつてより台湾の一大産業であるサトウキビ栽培と製糖。
農園と工場の間に軌道の幅が標準軌の半分である762mm幅の鉄道を敷き、小さな蒸気機関車がサトウキビを満載したトロッコを何両も牽いて輸送していました。
農園ごとに私有の鉄道として敷かれていて、機関車はアメリカや日本から輸入し、貨車や客車は製糖工場内で製造されたものも少なくなく、実にバラエティに富んでいたのだそうです。

台湾製糖 巡道車 111号

台湾製糖 巡道車 111号

台湾製糖 巡道車 111号

台湾製糖 巡道車 111号

この111号も台湾糖業の蕭壠(現佳里)工場で1921年に造られたもの。
長さ3.5m×幅1.8m×高さ1.7m、古い駅の待合室みたいな木製車体のこの気動車は、台湾の中で現存する最も古い巡道車なのだそうです。
“巡道車” とは、“巡回車” と訳されていますが、鉄道の見回り検査などに使用される車両のこと。日本の形式でいうならばJR(旧国鉄)風に “キヤ” といった感じでしょうか。
産業用の鉄道ですから旅客用の車両は基本的には所有しておらず、そのため人員を載せるだけのこういった機能本意の車両が生み出されたのだろうと思います。

台湾製糖 巡道車 111号

車内は、ほぼ中央に床からにょっきりと変速ギアのレバーとブレーキのハンドルが立ち上がっていて、おそらくアクセルはエンジンカバーの辺りにペダルがあるのでしょう。
定員12名と車体の側面に記されていますが、乗り込んだ12名の作業員たちのほぼ真ん中に運転手が低い天井に身をかがめながら立つか、ロングシートの真ん中辺りに他の作業員たちと並んで座って、進行方向の窓越しに前方を見ながら操縦していたのだろうと思います。
どちらにしても、フロントガラスからは奥まった位置での操縦ですから、定員以上の作業員や一般客などは載せられないですね。
雨の多い台湾ですが、フロントガラスにはワイパーがありません。

今でも台湾では製糖工場は稼働していて、またこういった鉄道車両たちが活躍していた糖業鉄道を保存して観光用として一般公開しているところも少なくありません。
台湾には、九份や淡水、日月譚、阿里山など訪れてみたい場所がたくさんありますが、こういった糖業鉄道も体験してみたい観光地のひとつです。
一回は訪れてみたい台湾。またひとつ、魅力を見せつけられてしまいました。

台湾製糖 巡道車 111号

※文中、台湾の地名などは読み方表記がわかりませんでしたので、注釈は省きました。ご了承ください。


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