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映画 『ジミー、野を駆ける伝説』

《ものがたり》
1932年、国を分断した悲劇的な内戦が終結してから10年後のアイルランド。アメリカで暮らしていた元活動家のジミー・グラルトンが、10年ぶりに祖国の地を踏み、リートリム州の故郷に帰って来た。かつて地域のリーダーとして絶大な信頼を集めたジミーは、気心の知れた仲間たちに歓待され、昔の恋人ウーナとも再会を果たす。ジミーの望みは、年老いた母親アリスの面倒を見ながら穏やかに生活すること。
しかし、村の若者たちの訴えに衝き動かされ、内にくすぶる情熱を再燃させたジミーはホールの再開を決意し、仲間たちも協力を申し出る。かつてジミー自身が建設したそのホールは、人々が芸術やスポーツを学びながら人生を語らい、歌とダンスに熱中したかけがえのない場所だったのだ。やがてジミーの決断が、図らずもそれを快く思わない勢力との諍いを招いてしまい……。



ジミー、野を駆ける伝説

永年に渡るイングランドの支配から独立を果たしたアイルランド。
自治権を得ていよいよ自由になったはずが今度は内戦状態に陥り、その火種は90年以上を経て、今もなお北部アイルランドでくすぶり続けています。
そんな自治領アイルランドの黎明期に実在した、学者でも政治家でも宗教家でもない一人の労働者の話。

独立は勝ち取ったものの宗教と国政が民衆を弾圧し、民主化などほど遠い状態にあって、その中で「自由な人間として喜びのために生きよう」と村人に語りかけ、人々が自由に学んで歌って踊れる場所として「集会所(ホール)」を提供したのが、主人公のジミー・グラルトン。
かつては活動家として表舞台に立っていたジミーがいったん国外に逃れて、これからは静かに母親とともに暮らそうと、20年ぶりに戻ってきたところから物語が始まります。
村の若者たちはホールの再開を望み、それに応えたジミーは再び共産主義者(コミュニスト)とされて、教会から疎まれ、やがてまた官憲から追われる身となります。
結局、人々の心を惹きつけたジミーはまた祖国をあとにすることとなり、二度とアイルランドの地には戻れなかったと作品の中で紹介されていました。

実在した人物ながら、ジミーの人となりについて、実はほとんど知られていないのだそうです。
人々は自由であれと体現しただけで、生まれ育った祖国から突き放されてしまう-
祖国に裏切られる感覚は、なかなか想像できるものではありませんが、この作品では、そんな伝説の男を明るく朗らかな人柄と表現しています。
そんな人柄だったからこそ、この自然に囲まれた穏やかな空気の中で生きる人々の心を惹きつけ、この地に見合った自由と幸せを求めてその後の困難の時を乗り越え、力を合わせて育んだ今日の自由があるのでしょう。

人々に自由を力強く訴える傍らで年老いた母を気遣ったり、時と時代が “叶わぬ恋” にしてしまった愛する女性ウーナを優しく見守る様子も描き出すことで、伝説の男もひとりの人間であるということを、作品を見る者に改めて伝えてきます。
とりわけ、素朴で寡黙ながら力強さを秘めた母の姿にも心を打たれました。

それにしても、自然豊かなアイルランドの風景はいつ見ても緑が濃くて、とても素敵です。



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Re: 焼酎学生さま

アイルランドが住みやすい国なのかどうかはちょっと怪しいところなのですが、自然はとにかく美しい国です。
素朴で素敵な国ですね。

「祖国に裏切られる」という言葉を、今この時期に使っていいものかどうか、実は真剣に悩みました。
しかし、やはりどうしてもそのこと抜きに感想は書けなかったので、使いました。
過去から今現在も、指導者と呼ばれる人々は、意外と簡単に自国の人々の命を粗末に扱います。
それに抗う人がいなければ、指導者の“指導”はさらに間違った方向に向く…。
この映画を見て、そんなことにも思いを馳せたのですが…。

No title

アイルランドを(ニュージーランドも)ほとんどを知らないボクですが、自然が美しくて住みやすい島国との印象を持っています。
I.Zさんの解説・感想を読んで想いが飛んだのは、今のわが国の政治家そのほか超有名人の動きと、後藤健二さんの働きぶりでした。

「マエストロ」は音楽たっぷりだろうから、評価が高ければ観たいです。

Re: Yuusuke320さま

「暖かい眼差しの文章」と感じてくださったこと、ありがとうございます。
温かい目で見られたのも、監督の描き方が好かったからなのでしょう。
1時間55分、ぐいぐい引きこまれっ放しでした。

映画 『マエストロ!』ですか?
-どうでしょうねぇ?

こんばんわ。

相変わらず暖かい眼差しの文章ですね。
オイラも見ましたが感想はかけませんでした。
ケン・ローチ監督作品が見たくてもレンタル屋では『麦の穂をゆらす風』他は貸出中が数回続いてます。
映画『マエストロ!』は行きますか?
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