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映画 『ストックホルムでワルツを』

《ものがたり》
首都ストックホルムから遠く離れた田舎町に両親と5歳の娘と暮らしているシングルマザーのモニカは、電話交換手の仕事をしながら、時折深夜バスでストックホルムまで出向き、ジャズクラブで歌手としてステージに立つ忙しい日々を送っていた。いつか歌で成功し、この町を出て娘と2人で幸せに暮らせる日が来ることを夢見るモニカに、厳格な父は“母親失格”のレッテルを貼り歌の仕事に反対をしていた。そんな時、モニカの歌を聞いた評論家の誘いによりニューヨークで歌うチャンスが与えられる。一世一代のチャンスに、ジャズの聖地に乗り込むモニカだが、ライブは無残な結果となり、さらには憧れの歌手から“誰かのマネより自分らしい歌を歌いなさい”と厳しい批判を受ける。その評判は故郷まで届き、父は歌をやめ母親業に専念するよう言い放つ。落ち込むモニカだが、ある日バンドメンバーの助言により、母国語(スウェーデン語)でジャズを歌うことを思いつく。誰もが予想していなかったこの歌声は、次第にスウェーデン中の人々の心に響くようになり、モニカは夢のステージへの階段を一歩ずつ上り始めていくのだった―。



映画 『ストックホルムでワルツを』

「mother tongue」。直訳すると「母の舌」というこの英熟語の意味は「母国語」。
アメリカから来た評論家に認められて単身ニューヨークに乗り込んでステージに立ったモニカ。
しかしながら不本意な形でステージから降ろされた上に、憧れのエラ・フィッツジェラルドからは「誰かの真似ではなく自分の心で歌いなさい」と、にべもない扱いを受けてしまいます。
そこから彼女は、バンドメンバーのアドバイスもあって “母国語で歌いたい” という夢を持つことになります。

1960年代前半はロックが台頭してくる前のジャズ全盛期だったのでしょう。
その全盛期にあってもアメリカでは、トミー・フラナガン・トリオのように有名なピアニストでも黒人であるがために楽屋が用意されなかったり、黒人と白人が同じステージに上ることも認められていなかったという状況。
一方のスウェーデンでも女性は家庭に入って家事育児に専念すべきという極めて保守的な考え方が一般的な中で、シングルマザーでありながらも自らの夢をしっかりと追い求めて、やがては成功していくというサクセス・ストーリー。

実在したモニカ・ゼタールンドという歌手が、ただ単に華やかなステージで歌うことが好きというところから夢に向かって試行錯誤を繰り返して苦しむ姿や、母としての苦悩、厳しい父親との確執などもありながらステージ上で成功していくという姿を、映画初出演というエッダ・マグナソンがみごとに演じています。
全ての歌は自らの歌声というのは、エッダ・マグナソンは歌手が本業なので当然という以上に素晴らしいものでした。
「It Could Happen To You」「Hit The Road Jack」「Take Five」に、この作品の邦題の元にもなった「Waltz for Debbie」など、聴き覚えのあるジャズの名曲の数々をスウェーデン語で聴くというだけでも、この作品を鑑賞する価値はあるものと、ボクは感じました。

母国語で歌えば、自ずと歌に心も入ってくるでしょう。
スウェーデンで好評を博し、ついには自ら直談判してかねてからの最高の夢を叶えるモニカ。
最高の舞台まで上り詰めた時、身近な人々の心が温かい。
年末の慌ただしいこの時期に、なかなか素敵な作品に出会うことができました。



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Re: 焼酎学生さま

スタンダードなジャズがお好きならば、絶対ご覧になったほうが良い作品です。
コンサートを一回減らすだけの価値はあると思います。

また、「音を楽しむ」といえば、劇中に、スウェーデンの飛行機メーカーが作った名車「SAAB(サーブ)」が出てくるのですが、その2サイクルのいかにも非力そうなエンジン音もちょっとした聴きどころですよ。(笑

神奈川県では、現在、横浜日ノ出町のシネマ ジャック&ベティで上映中です。

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No title

映画に背景音楽は必須のものですが、音楽そのものを主題とした映画はとても観たくなるボクです。
コンサートを1回減らして『ストックホルムでワルツを』観にゆきたくなりました。

Re: Yuusuke320さま

どこかの映画館でチラシを見て以来、どうしても見たいと思っていた作品でした。
御大は、この作品のどこが良いと感じたのでしょうか?

「100歳の華麗なる冒険」は、新聞での評価を読みました。
魅力は感じましたが、どうしても見なければならないとは感じなかったので、結果的に見ることができていませんね。

おはようございます。

I.Z.さんも見られましたか。 良かったですよね。
もう1本スェーデン映画「100歳の華麗なる冒険」もお推めですよ。
年末は忙しいですか? 来月はケンローチ監督作品が公開されますね。
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