ボクの高校野球の話

今朝の新聞から。

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高校野球県大会の組み合わせが新聞で報じられてトーナメント表が載るたびに、ちょっとさびしい気分になります。
1970年代の終わりに高校生になったボクたちは、当時まだ開校して間もない新設校だった母校には野球部がなかったので、あれこれ手をつくして一年がかりで野球部を創設しました。

部長に名乗りを上げた友だちがどういう方法で学校側に訴えたのか、ある日、野球部を作りたいと望んでいる生徒たちが生徒会から呼び出されて、校長の前で熱い思いを語ることになりました。
そのメンバーにボクと同じ中学校出身の仲間もいたため、彼らに引きずり込まれて、何故かボクもその場に同席させられたのですが、ボクには野球部に入るつもりなど、一切ありませんでした。
会談の場は、野球部創設を熱望する生徒に対して、断固拒否の校長+生徒会役員という雰囲気になっていました。

ボク以外の坊主頭たちは、まだ若すぎるために少ないボキャブラリーを駆使して野球に対する熱い想いを順番に語っていきました。
そして、最後にボクにも語る順番がやってきたのです。
「え!? あれっ!? …」
ボクには熱く語るだけの気持ちもなにもありませんでした。
だって、野球をやるつもりは全くないのですから、…ねぇ。
しかし、その場はボクもなにか語らなければならない空気になっています、当然…。
そこでボクは、こんなふうに喋ってみたのでした。

- 校長はこの高校に赴任される前には、○○高校(県下随一の優秀校のひとつ)にいらっしゃったそうですね。その高校には野球部がないと聞いたことがあります。
ボクたちの母校を○○高校と同じような優秀校にしたいから野球部を作らないと校長が拒んでいるというウワサを耳にしたのですが、それが事実だとしたらとんでもない話です。
生徒の可能性の芽を摘もうとしているのではないでしょうか -

野球をやりたいといって止まない友人たちがあまりに熱く語っていたので、ボクもなにか語らなければと思ったのでした。

この日の直訴がどのように影響したのかはわかりませんが、後日、ボクは名前も聞いたことのない先生に呼び出されて、生徒会に入らないかと誘われました。
全共闘世代のその先生は生徒会の顧問で、過日の会合の席にいて、ボクの発言に興味を持った模様。
一方のボクは、先生に一本釣りで誘われたことを意気に感じて、ふたつ返事で生徒会に入り、学校側と交渉したり全ての部活動の予算を調整したりして、野球部創設の手助けをしたのでした。
自分が野球をやりたいと望んでいる人間だけでは、鳥の巣にいて親鳥にピーピー餌をねだるひな鳥ばかりのような気がしたので、生徒会の運営組織に入り込んで援護射撃をする人間も必要だと思ったわけです。

そんなわけで、厳しい条件を野球部側に飲ませたこともあって特に大きな異論が生じることもなく野球部は無事に承認されて創設されたのでした。
結局創部以来、記憶にある中では一勝も上げたことはなく、一度も強さを感じたことのない野球部でしたが、新聞のトーナメント表に名前が載った時にはちょっとうれしく思いました。

そんな母校の名前がトーナメント表に載らなくなってから、もう何年?
ちょうど10年前に母校そのものが廃校になってしまったので、もう二度と新聞に名前が載ることはありません。
入学以来、好きな学校でもありませんでしたが、ボクの通った高校は、たった28年という短い命で10年前に廃校になってしまったのです。

夏の高校野球など、季節ごとに大会のトーナメント表が新聞に掲載されるたびに、ボクはあのころのことをちょっと思い出してしまうのです。

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Re: 焼酎学生さま

ボクの高校時代も、さすがに30年以上も前になってしまったので、懐かしい以外のなにものでもなくなっています。
後輩の彼女とふたりで毎日歩いた造成地の中のだだっ広い道など、今でもときどき思い出しますが、今、あの頃に戻りたいとは思いませんねぇ。

ひもじくはありませんでしたが、ボクの時代はその後バブル期に突入していく身のない頭でっかち感に苛まれていて、常に「そういうの嫌だなぁ」という、ちょっと鬱な気分の毎日でした。
それでも、今思い返せば懐かしい。
不思議なものです。

No title

高校時代の思い出ってなつかしいものですね。
でも、ボクの高校時代は1948年からの3年間、ひもじくて食物を盗み歩く登下校でした。
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