映画 『楽隊のうさぎ』

《ものがたり》
「授業が終わったら、早く家に帰りたい」と考えている引っ込み思案の中学1年生・奥田克久。ある日、不思議なうさぎに誘われ、学校で練習時間が一番長い吹奏楽部に入部することに。迷い悩みながらも、音楽の面白さに夢中になっていく。そして、ついに定期演奏会の日がやってくる-。。



映画 『楽隊のうさぎ』


中学生になった少年が吹奏楽部に入部して2回目の定期演奏会を迎えるまでの一年間の成長を追った、中沢けい原作の小説を映画化した作品。
静岡県浜松を舞台に、そのほとんどがオーディションで募ったという地元の子どもたちが出演して、しかも彼らには実際に楽器の経験もなかったりするので、映画を見進めるに連れて上達していく姿も目の当たりにでき、これはもう一種のドキュメンタリー映画でした。

とにかく目立ちたくないと考え、弁当も地味なのり弁当を親に頼む主人公の克久。
あまり豊かな表情を見せる子供ではなく、最初のうちは幼さも感じられる中学一年生の男の子。
しかし、打楽器に興味を持ち、音楽を奏でていくことを身体で理解し始めると、表情の乏しさは相変わらずながらどこかしっかりとした顔つきになってきて、自然と大人の顔つきに変わってきたことが画面から感じられます。

「ティンパニをどう奏でたいかは、克ッちゃん次第だよ」
「音の粒を揃えることに集中すると余計なものは見えなくなる」
一学年上の先輩たちが、彼らとて若いのに妙に悟ったようなひとことを発して、それが克久の心に響いていく。
その瞬間から、彼の中で興味が湧き、知らず知らずのうちに熱中していく。
同じ年代の頃、ボクたちにも少なからず同じような経験があって、そういえばあの当時熱中していたなぁなんて、映像を見ながらぼんやりと思い出したりしました。
そんな懐かしさを感じる、実にのんびりとした作品でした。

去年のクリスマス前に触れる機会を得てから興味を持ち始めたクラシック音楽。
この作品の中では、ビゼー作曲『アルルの女 第二組曲』の『ファランドール』やドビュッシー作曲『月の光』など、聞き覚えのある曲が中学生たちによって演奏されていました。
素人の耳にも乱れや危なっかしさがわかる演奏でしたが、それぞれの楽器が協力しあってひとつの曲を作り上げていくこと、またそれに向けて演奏者全員の各個人が大いに情熱を注いでいるのだということが、改めて感じられた作品でもありました。


映画『楽隊のうさぎ』予告編-学園生活ver.


映画『楽隊のうさぎ』予告編-吹奏楽ver.


関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

Re: 焼酎学生さま

かつてボクが見て好いなと思った吹奏楽の映画は、イギリス映画の『ブラス!』ですね。
廃坑に揺れるイギリスの炭鉱町での話で、社会問題の提起も織り交ぜられながら、エンターテインメント性も十分に持った素敵な作品でした。

No title

この手の映画は毎年1本ぐらい公開され、どれも似たり寄ったりの筋書きだと思いますが、観ればそれなりの感動を覚えます。
かなり以前に観たイギリス映画で、実在する有名吹奏楽団の成長物語は秀作でしたが、題名忘れました。
最新記事
最新コメント
プロフィール

I.Z.

Author:I.Z.
I.Z.と書いてイーズィーと読みます。
こまめというわけにはいきませんが、ちょっとしたことを書き記してみます。

最新トラックバック
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
ClockLink

サイトの訪問者数:
現在の閲覧者数: