誤字考

1月3日付の遊助御大の記事の中に「焉馬の誤」なる言葉がありました。
実際には「焉馬之誤(えんばのあやまり)」という四字熟語の故事諺で、“焉”と“馬”とは字形が似ていて誤りやすいということから、「間違いやすい文字」という意味なのだそうです。
“焉” と “馬” が似ているようには思えませんが、筆文字の場合には最下部の4つの点が目立ってくると思いますから識別しにくかったのでしょう。
同じ意味で、「魯魚之誤(ろぎょのあやまり)」や「虎虚之誤(こきょのあやまり)」などという異なる表現もあるのだそうです。

確かに、子供の頃は「“鳥”と“島”」や「“新”と“親”」はよく間違えましたし、「“裁”と“栽”」や「“招”と“紹”」「“壁”と“璧”」などはたった今漢字テストをされたとしても書き分けることなどできない可能性が大です。
ただ、今の世の中では自筆で文字を書く機会は減ってきて、特に自分の中だけで取り扱われるのではなく、自分以外の誰かに向けて発せられるメッセージの場合はたいてい機械を経て表示される時代になりましたから、焉馬之誤みたいな文字の間違いは少なくなっているのかもしれません。
なんといっても、今や “薔薇” や “憂鬱” のように書こうと思うと実は書けない文字でも簡単に漢字に変換してくれてしまうのですから、いやぁ便利になったものです。

そしてそれ以上に目にする機会が大幅に減ったのが、文字そのものの書き間違い。
漢字一文字の中で “丶” や “一” などの一画分が抜けていたり、根本的に実在しない漢字が書いてあったりするというのを見かける機会が大幅に減ったような気がしませんか?
いや、それは漢字に限らず、カタカナの “シ” と “ツ” を書き分けられていない手書きなども目にする機会はぐっと減りました。
そんな中、久しぶりに懐かしい誤字に出会いました。

LUMINEのポチ袋

一昨日、東京・渋谷にある商業施設「LUMINEルミネマン渋谷店」の前を通りかかった時に手渡された販促用のぽち袋。
小さなビニールにLUMINEのキャラクター、ルミ姉(るみねえ)が描かれた2枚のぽち袋が入れられてあったのですが、そのうちの1枚(写真右端)に書かれた「迎春」の文字。
部首 “辶” の上に書くべきつくりは、“卯” ではないでしょう?

しかし、既に大量に配布されているこのポチ袋をじっと眺めているうちに、ボクの中で考え方がゆっくりと変わってきました。
-この脳天気なキャラクターに添えられた文字なのだから、
 こんな間違った文字でもいいのではないか?
 肝心な販売促進施策の部分はきちんと機械的な文字で表しているのだから、
 ルミ姉が書いた文字ってことで…。

中学生だった頃、別のクラスの女の子からもらった手紙には、「素敵」ではなく「素的」といつも書かれていました。
「素敵」が正しいはずなのに毎回間違えているなぁ、などと思っていたのですが、後年、「素敵」の “敵” は当て字であり、本来は「素的」が正しいのだということを知りました。
競い合ったり、恨んだり憎んだりしている相手を表す「敵」という漢字を使いたくなかった彼女の気持ちに、その時になってようやく気づいたのでした。

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Re: サンシルさま

こちらこそ、今年もよろしくです。

「越」と「超」。
これらも、「越す」と「超す」の使い分けを考えると、確かにむずかしい時がありますよね。
わかります。

それより何より、素的、もらってましたねぇ…。テヘ
相手は、サンシルさんもきっと知っている人です。…テヘその2
青春ですね~

おそまきながら…

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくねっ。

って、今ごろ?ですが、ご愛嬌!

私は越と超が上手く使いわけられません。
あ、それってちょっと意味違う?

それより何より、素的、もらったんだー!ニヤリ(笑)
青春だね〜

Re: 焼酎学生さま

いくらチェックしてみても、どうしても出てきてしまうのが誤字脱字。
気をつけたいものですね。

なるほど。
むずかしい漢字の使用と分かる文章ですね。
ボクも改めて心がけたいと思います。

No title

文章のつくりかたは今さらどうにもならないボクですが、せめて誤字脱字だけは無い(少ない)ように努めています。
そして難しい漢字はなるべく使わないようにしています。
要するに子供でも読める・分かる文章を目標としているつもりです。

Re: yuusuke320さま

記事本文への感想が全くなくコメントには感想がいただけるとは、ボクの文章の書き方について根本的に考えなおさなければいけないようですね。

“上げ足” と書かれていればそれは “揚げ足” の間違いだなと気づくことはできますが、それがもし仮に “足鳥にきました” としか書かれていなかった場合、意味がわからなくなります。
そんなイメージでコメントを書きましたが、疑問を持たれるようであればそれは不十分な表現だったのでしょう。
わかりやすく間違いない文章を目指して、精進します。

上げ足?鳥?にきました。

質問です。
「・・・誤字はまだ正しい文字・・・」は「脱字」の間違いなのでは? または、「・・・誤字の場合・・・」が「脱字」なのか?  どちらとも受け止められる書き方にイチャモンです。  と、噛みつきに来ました。

Re: yuusuke320さま

早々のコメントをありがとうございました。

無断転用は止めてもやまないでしょうから無視するとして、誤字脱字は気をつけたいものです。
誤字はまだ正しい文字を予想して読み解くことができるのですが、誤字の場合は文章の意味がわからないばかりでなく、下手をすると全く逆の意味の表現になることもあります。
お互い、気をつけましょう!

元気におはようございます。

今年もビシバシ無断転用の誤字脱字で行きますよっと、ラクガキに立ち寄りです。
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