《ものがたり》
フランス人写真家のマリオン(ジュリー・デルピー)は、以前付き合っていたジャック(アダム・ゴールドバーグ)と別れ、彼との間にもうけた一人息子を引きとって、現在はニューヨークのアパートで暮らしている。同居人は、新しいボーイフレンドで、ラジオDJとして活躍しているミンガス(クリス・ロック)と、その一人娘。国籍や人種の違いはあっても、お互いの仕事を理解し合った2人の関係は、誰の目からも“順調”に見えていた。
ところが、そんなマリオンたちの幸せなニューヨーカー・ライフに、突然の“危機”が訪れる――パリに住んでいるマリオンの父親と妹とその恋人(ややこしいことに、マリオンの“元カレ”でもある!)が、彼女の個展を観るためにニューヨークを訪れ、アパートに2日間滞在することになったのだ。
ここのところ、仕事上では概ね全てのことが順調に進んでいたのですが、昨日ちょっとした不都合が生じて、今日はその対応。
夕方までに無事に解決できたので、仕事は早めに切り上げて観たいと思っていた映画を見に行くことにしたのですが、映画館に着いてみればなんと満席売り切れ。
そんなわけで、同じ映画館で「すぐに次の回が始まりますよ」と言われたこの作品を観てきました。
大都会ニューヨークに、同じく大都会パリからやって来た人々。
同じ大都会に暮らす人々なのに、ここまでカルチャーギャップがあるのかと呆れるほどの破天荒ぶりに、コメディなのにむしろ笑えず…。
アメリカとフランス。共に民衆が戦って自由を勝ち得た2つの大国ですが、自由の捉え方はここまで異なるものなのかとつくづく思いました。
いつもの生活にわずか数人が客人として加わっただけでこれほどまでにうまくまわらなくなるものか。そしてそれに伴っていつもは見逃していることに対して改めて正面から向き合って真摯に考え直してみる-
お下劣なセリフが飛び交い常にドタバタといった状況なので、「うわぁ、うるさいなぁ。うっとうしいなぁ、これ」と脳天気に見ていても、自分自身も陥りがちな事態の連続に知らず知らずのうちに共感を覚えるという作品でした。
ただ、それでも善いことをすれば自分の知らないところで報われているというラストのエピソードに、なんだかちょっと温かいものを感じて見終えた作品。雨降って地固まる。
ニューヨークに住むフランス人の目で作られた映像は、静止画のパラパラ漫画風コマ送りなども工夫されていて、どこまでもおしゃれ。
ちょっとずつなにかうまくいかなかったことが連続した日などに、大いにリラックスしてなにも考えずに見ることをお薦めします。
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