映画 『風立ちぬ』

《ものがたり》
かつて、日本で戦争があった。
大正から昭和へ、1920年代の日本は、
不景気と貧乏、病気、そして大震災と、
まことに生きるのに辛い時代だった。
そして、日本は戦争へと突入していった。
当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?

イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、
後に神話と化した零戦の誕生、
薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。

この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く-。

堀越二郎と堀 辰雄に
敬意を込めて。
生きねば。

~映画 『風立ちぬ』 公式サイトより~


映画 『風立ちぬ』 公式サイト


映画「風立ちぬ」


実在の人物である堀越二郎の半生に、堀辰雄が小説「風立ちぬ」で描いた自らの純愛の話を織り込み、それを堀辰雄が「風立ちぬ」と訳したポール・ヴァレリーの詩の一節と、荒井由美の歌「ひこうき雲」の歌詞に託した作品。
宮崎駿監督自身やスタジオジブリという、集団でものづくりに携わる人々への讃歌であり、夢を信じて持ち続けることへの応援歌です。

作品の舞台となった当時と同様、どことなく閉塞感が漂い、不安感のぬぐい去れない今日の日本。
なにをすれば正解なのか、いったい自分のしていることは正しいのか?
誰もがそう思う時代に向けて、かつてこういう時代があってこう生きた男がいたということを示した作品だとボクは思いました。
宮崎監督がテレビのインタビューで、「ファンタジーは、今は、合わない」と語っていましたが、確かにそうなのでしょう。
独自の世界観を観客に押しつけ、その中でドラマを語ることは、今現在の日本にとっては完全な “絵空事” になってしまって、誰の心も打たない。だから、あえて実在の人物を扱う作品に取り組んだのでしょう。
しかし、そこは宮崎作品、主人公 堀越二郎が敬愛するジョヴァンニ・バッチスタ・ジャンニ・カプロニと夢の中で語り合うシーンだけは宮崎作品らしいファンタジーあふれるものとなっています。

宮崎監督は、風を描く監督。
監督はこの作品でも、登場人物たちの風に向かう姿で、観る者になにかのメッセージを伝えてきます。そして観客たちは空調の効いた映画館の中にいるにもかかわらず、登場人物と同じ風に吹かれて、空気の流れを感じます。
そういう表現と効果は、アニメーションだからこそのものなのでしょうか。
実写映画にはない不思議なあと味が、この作品ではよりいっそう多く残り、もしかしたら宮崎監督が最も作り上げたかった作品なのかもしれないと、そんな感想を持ってスクリーンの前から離れたのでした。


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Re: 焼酎学生さま

内容と主人公の吹き替えについては、わかりやすくストンと心に落ちてくるものではありませんし、そもそも多くのジブリファンはファンタジーを求めているようですから、それは初日から絶賛の嵐とはいかないはずです。

ただ唯一言えることは、どんな作品でもそうですが、自分にとってどうかというのは、評判にかかわらず実際に見に行ってからでないとわからないということです。
「見に行こうかな」と僅かにでも心に惹かれたのであれば、見に行くみるべき、大きな画面で見ておくべきだと思います。
ぜひはそれからです。

No title

「風立ちぬ」公開初日の評判は絶賛とはいかず相半ばしており、観るべきか否か迷っています。
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