ディファ有明 に ムエタイ を見に行く

仕事納めの今日は、もう2か月以上も前になるんですね、10月21日のお話を-
この日、知人からのお誘いで、ディファ有明に ムエタイ の試合を見に行ってきました。

NJKFセンチャイムエタイジム主催
『Muay Thai Open 22』


Muay Thai Open 22


ディファ有明 は、かつてバブル期に孤高のディスコ・ライブハウスとして名を馳せた エムザ有明
格闘技というとマンガ「あしたのジョー」のイメージが圧倒的に強いボクには、ディファ有明の今は昔のデカダンス(退廃的)な雰囲気に、場末の拳闘場というイメージがなんだか妙にハマっています。

Muay Thai Open 22


チケットの半券を切ってもらい入場した薄暗いロビーは、コンクリート打ちっ放しの床面と味気ない壁面が真っ赤なペンキで塗られ、イメージ通りの殺伐とした雰囲気。
そして真っ暗なホールに入ると、「あしたのジョー」で描かれていた通りに、リングだけがカクテル光線にまぶしく輝いていました。

Muay Thai Open 22


しかしそれ以上に強烈に印象づけられたのは、その独特な薫り。
それは強烈ながら清涼感のある湿布の薫りです。
正確には、鎮痛消炎効果のあるサリチル酸メチルとオイルを混ぜた、ムエタイオイルと呼ばれているオイルから発せられている匂いで、わかりやすく言うならばサロメチールの匂い。
選手たちはそのオイルを身体中にしっかり塗り込むことによって、被打時の沈痛と、“首相撲”とも呼ばれる、ボクシングで言ういわゆる“クリンチ”の状態から肘打ちや膝蹴りを放つ、組み合った状態での闘いの中での摩擦による擦過傷を緩和するのだそうです。

経験の浅いランクの選手たちは1ラウンド3分間で3ラウンド、後半のカードで出てくるベテラン勢たちは5ラウンド闘い、その中で相手を倒せばノックアウト。最後まで倒せなければ判定に持ち込まれるのはボクシングやキックボクシングと同じ。

Muay Thai Open 22 Muay Thai Open 22
Muay Thai Open 22 Muay Thai Open 22


ムエタイはタイの国技。
とはいえ、殴り合い・蹴り合いという蛮的行為と由緒ある儀式が渾然一体となっていて、その両面が表裏のように見え隠れするところがなんとも独特な雰囲気です。
日本や欧米のキックボクシングは、このムエタイや空手からスポーツの要素を取り出して各地でルールを決めたものだと聞きました。
ラウンド中は会場内に独特なタイの民族音楽が流されてエキゾチックなムードが漂うのですが、そういったところでムエタイは国際競技ではなくタイの伝統競技なのだと強く感じさせられます。
また、タイでは試合が賭博の対象でもあるのだそうで、現地でみるムエタイはもっと独特な空気の中で繰り広げられるものなのだろうと想像したりもしました。

Muay Thai Open 22 Muay Thai Open 22
Muay Thai Open 22 Muay Thai Open 22


国技・伝統競技でありながら、やはり拳闘ですから殺伐とした雰囲気の中でおこなわれるもの-
そんな先入観とは裏腹な事実が、実はボクの印象として強く残りました。
それは写真ではなかなか捉えることができなかったことなのですが、特にタイ人選手たちに多く見受けられた“笑顔”のこと。
“笑った”笑顔ではなく、充足した境遇からにじみ出てくるほほえみの笑顔。
“ほほえみの国”と呼ばれるタイの国技ならではの笑みなのでしょう。
ラウンド中の選手が相手を威嚇する表情ではなく緩やかなほほえみに包まれていたり、劣勢にありながらも苦痛の表情をなかなか見せないことなどが強烈な印象です。
おそらく宗教的な理由があるのでしょう。
後日、この日のリングにも登った日本人キックボクサーの方から間接的に聞いた話では、常にほほえまれると攻撃の案配がわからないのでとてもやりにくいのだそうです。…なるほど。

Muay Thai Open 22 Muay Thai Open 22
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最初は強烈に感じられていたムエタイオイルの薫りは、ラウンドを見続けるうちにすっかり慣れて、ラウンド中の民族音楽と相まってむしろ陶酔感を醸してきました。
これ、ムエタイにハマる中毒性がありそうですね。
癒しのアロマなのかもしれません。

Muay Thai Open 22 Muay Thai Open 22
Muay Thai Open 22 Muay Thai Open 22
Muay Thai Open 22
Muay Thai Open 22


退廃的な拳闘と宗教的行為が表裏一体の不思議な格闘技、ムエタイ。
素朴な典礼であると同時に興行でもあるというところは日本の相撲と同じですが、蹴り合いや殴り合いがある分、ムエタイの方が粗野で悲壮感があるような気がしますが、それも醍醐味と感じることができるのならばハマるのかもしれませんね。
観戦したのは全部で9カード。
あの日のおよそ3時間半だけ、今だに異空間にいたような気がしてなりません。
なかなか貴重な体験をしました。

Muay Thai Open 22



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Re: 焼酎学生さま

アハハ、確かに「首相 撲」、あの光景を思い出しますね。

…印象的でしたね、あの姿。
ご本人には万感の思いがあったものと思います。
格闘技でいえば、判定負け直後の姿でしたからね。

武士や戦中の時代ではないので、今の日本の世の中は基本的に優しく温かいものなのですが、ネットが発達してから特に“敗者”には冷たい世の中になりました。
もしかしたら「新冷戦時代」なのかも知れないと、ボクは思っています。

ルールに従って闘い、判定も含めて一定期間の最後には必ず白黒がつくムエタイ。
交代後の新政権は、ムエタイのようにほほえみの中で死闘の熱戦を繰り広げて、大金星の成果を挙げてほしいものですね。

首相撲

“首相撲”の文字をみたとたんに、前首相が議場にポツンと一人座っている光景を思い出し、「しゅしょう撲」と読んでしまいました。
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