蔵前 に国技館跡地を見に行く

昨日、日馬富士の全勝優勝で幕を閉じた大相撲名古屋場所。
名古屋場所は1965年から毎年、愛知県体育館で開催されています。

ボクのように1960年代の東京で生まれて東京近辺で育った子どもたちには、「大相撲」といえば「国技館」で、「国技館」といえば「蔵前国技館」という印象が強くあると思います。
今日は仕事で、その「蔵前」に行く機会があったので、「蔵前国技館」の跡地を見に行ってみることにしました。

都営地下鉄「蔵前」駅 蔵前一丁目交差点


都営地下鉄「蔵前」(くらまえ)駅から、蔵前橋通りを隅田川に向かって数分。
東京都下水道局の広大な施設がありますが、ここが1950年から1984年の9月場所まで「蔵前国技館」のあった場所です。

「蔵前水の館」と「蔵前ポンプ場」
蔵前橋 首都高速6号向島線の向こうに 「両国国技館」


“蔵”を模した「蔵前水の館」では、下水道管の中を実際に流れている下水の様子を見学できる23区唯一の施設とのこと。
その背後に建つ蔵前ポンプ場と合わせた広大な敷地は、日本相撲協会から東京都に売却され、その売却益で南に約500mほど、隅田川をはさんで対岸の両国に国技館が移設されました。

都営地下鉄「蔵前」駅


さて、この「蔵前」という場所ですが、子どものころから相撲を見に来るたびに「そういえば、“蔵”ってないね」などと思っていたのですが、今日はその理由を知りたいと思って、近くを歩き回ってみることにしました。

すると、ありました。
折しも、今週末に開催される隅田川花火大会で、詰めかける観衆から植栽を守るべく建てられたのであろうバリケードの向こうに、「浅草御蔵跡」の石碑が。

蔵前橋通り沿いのバリケード 蔵前橋通り沿いのバリケード
浅草御蔵跡 石碑


江戸幕府が年貢米や買い上げ米を全国の直轄地から集めて、大坂と京都と、江戸はこの浅草に保管し、またここから旗本や御家人に供されていたのだそうです。
その“蔵”が「浅草御蔵」、その蔵の前に栄えた街の名残で、昭和になって「蔵前」と正式な町名になったと案内板には書かれていました。

単なる蔵ではなくて、年貢としての米が全国から集まってくる場所だったのですね。
今で言う、日本銀行の前みたいなものですか? …いや、ちょっと違うなぁ。…だいぶ違うなぁ。

昭和になって、今度は相撲の興行という形で大金が集まるようになったこの場所。
その後、大金で東京都に買われて、今は大金よりもうちょっと庶民的な、下水が集まる場所になっていました。

-*-


国技館を蔵前から両国に移した日本相撲協会。
当時の理事は、蔵前国技館で「栃若(とちわか)時代」を築いた、元横綱 栃錦 の春日野理事長と元横綱 若乃花(初代) の二子山親方。
日本の高度経済成長期を大いに盛り上げた、昭和の大横綱のふたりでした。

両国国技館の建設を担当したゼネコンに毎日のように理事たちは訪問し、「全額現金で払うから、もう少し安くしてよ」と値切ったのだそうです。
そのゼネコンの担当者が、会社の玄関で待つ理事に会いに行く際に…、
「今日も栃若が負けに来た」
こうつぶやいたのだとか…。

30数年ぶりに立った蔵前国技館跡で、実話か否かそんな話を思い出した今日の夕方でした。

大相撲
この画像のみ2011年1月18日朝 撮影 -両国国技館-


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Re: 焼酎学生さま

お褒めの言葉を、ありがとうございます。

出先でついつい脚を伸ばすクセがついてしまったようです。
たまにしか行かないような場所に行った時は、ついつい寄り道してしまいます。
子どものころから、出かけたら帰ってこない“鉄砲玉”でしたが、ここに来て“再発”しているようです。(笑

街歩きと同時に、ことばの面白さにも魅了されているようで、洒落とか言葉遊びにもこれまた興味を引かれてしまいます。
こういった他愛もないひとこととか、ヘンな言葉の語源とか、知ったかぶりで文章に盛り込みたくなってしまうのもどうやらむかしからだったようです。
三つ子の魂、とりあえず四十七まで来ています。(笑

面白い!

I.Z.さんのレポート記事は為になり、いつも楽しく読んでいます。
きょうも「今日も栃若が負けに来た」とは!秀抜な洒落ですね。
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