行田の『ゼリーフライ』

行田に蓮を見に行った折、同行の芙蓉姫からお裾分けをいただきました。

行田 ゼリーフライ


それがこれ、“ ゼリーフライ ”

最近はメディアでも取り上げられ、B級グルメとしてかなり有名な、行田のローカルフードです。
ジャガイモとおからを混ぜた具に、パン粉などのコロモは一切なく、そのまま揚げたもの。
どぶ漬けしたような感じでウスターソースがたっぷりかかっています。

味は、もちろんソースの味です。
しかしソースは具まで染みこんでいないので、口元でほどよくほぐれて、食べやすくなっています。
しかし、なんでしょう。何か物足りなさがあるんですよね。
PCのマウスぐらいのサイズ、揚がっていること、ソース味、具はポテトサラダみたいなもの…。
こうくれば、ボクたち“非”行田人には、限りなく似た存在として子どもの頃から慣れ親しんでいる食べ物、コロッケがあって、「ゼリーフライ」を食べた時にはどうしてもそれをイメージしてしまうのです。
無意識のうちにコロッケとの差を感じ取ってしまい、「なんか足りないなぁ…」とモヤモヤしてしまうのです。

コロモのないポテトコロッケ。そういったものでした。

まだ日本が今ほどに国際化されていなかった時代、大陸に出征した先人たちは戦いの合間に、手軽に食べられる栄養価の高い食料品を見て学び、敵地といえども良いものは良いと日本に戻ってから見よう見真似で料理してみました。
それが餃子であったり、この「ゼリーフライ」もそういった来歴の食べ物なのだそうです。
小判型にした具を揚げることから、はじめは「銭富来(ぜにふらい)」と名付けられたとのこと。
腹持ちがよさそうで、子どもの駄菓子や大人にとってはお酒のあてにもなりそうです。
人気はいつの日か確かなものになり、ハイカラな響きの「ゼリーフライ」という名前に変わって定着していったようです。
しかしこの「ゼリーフライ」、隣の市にすら伝播することはなく、行田地域だけで作られ食べられているのだそうです。

行田の町では、この「ゼリーフライ」とは製法も見た目の全く違う「フライ」というまた別のご当地フードもあります。
双方を合わせて、提供しているお店のマップなどを制作・配布して、町おこしに取り組んでいますが、そういうのって、なかなか良いと思います。

先人の体験に基づく発想を地域で育んできたひとつの形である「ゼリーフライ」。
これは今時の“B級グルメ”とか“ご当地グルメ”などという薄っぺらな言い方などではなく、立派な文化だと思います。
それでも“自分の生まれ育った環境に根ざした食べ物”という意味であえて今時の言葉で言い換えるならば、“ソウルフード”なのだと思います。

行田とは縁もゆかりもなかったボクには「コロモのないポテトコロッケ」としか思えなかったものですが、行田で生まれ育った人たちにとって「ゼリーフライ」はむかしからある懐かしい味。
そういった食べ物が暖かく守られて今なお愛されているというのは、“ソウルフード”のない街に住むボクにはとても羨ましく感じられました。


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Re: テラゲン合格!さま

食べ物を見ておいしそうだと思うこと、それだけで健康だということ。
夏バテ中とはいえ、食欲はあるようですから安心しました。

関東地方では明日はちょっと涼しいとの予報です。
身体は楽になると思いますが、寒暖の差で体調を崩さないようにすることも、気をつけたいと思います。

Re: 焼酎学生さま

体調の回復、なによりです。
暑すぎる季節、これからもおだいじにしてください。

「名物にうまいものなし」
厳しい言葉ですが、半ば納得でもありますね。
「一番とは言えないけど、まあ二番目ですね」という意味の「乙ですな」という表現が、いわゆるご当地グルメには多い気がします。

ゼリーフライそのものもボクには「乙なもの」でしたが、それが育まれてきた文化まで否定するようなことはありません。
文化が育まれるには、多くの人たちの苦労や愛情、努力があるわけですからね。
ボクはひとつの食べ物などから、そういった背景を知ることに楽しみを感じています。
また何か、そういった素材を探してみますね。

Re: Ryuさま

言われてみれば、縁もゆかりも同じ漢字ですね。
ボクも、音ばかりで使っていたので、全く気がつきませんでした。

最近ボクが気にしている漢字は、「絆」。
「絆す」って書いて、何と読むか知っていますか?
意外と怖い結果が待ち受けていますよ。

いいね!

おいしそうですね。

僕は、この暑さで、
夏バテ中でございます。

暖かみのある言葉

「名物にうまいものなし」はひどすぎますが、感心するほど旨い名物は数少ないです。
でも、行田のゼリーフライへの温かい感想は見上げたものだと思います。

僕の急病へのご心配、有難うございました。おかげで、きょうから発憤して正常生活へ舵を切りました。

重ね言葉?

ゼリーフライ
名前は、聞いた事ありましたが行田市では歴史のある食べ物なんですね!

衣の無いコロッケ
なんか頭の中では、味も見栄えも想像しにくいですね!

ところで文中の
「縁もゆかり」もと言う言葉は、改めて見ると不思議ですね!
縁 読みが変わればゆかり と同じ言葉で同じ意味 「も」と繋ぐのが変な感じがします。

今まで、言葉で聞いていた時は、なんとなく聞いていましたが文字で見たらなんか改めて不思議な感じを覚えてしまいました。


日本語は、難しい!

(-.-;)


( ̄∀ ̄)
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