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京急800形 礼賛

タモリ氏曰く、京急電車の車掌は「ドアが閉まります」でなく「だあぁしぁりゃ~す」と言うのだとか。
今日はそんな京急電車の、“だあぁ”の多い車両の話。

公私にわたって京急電車に乗る機会が少なくありません。
1993年の空港線延伸による羽田空港ターミナル乗り入れ以降、従来からの三浦半島と都心や京浜間の高速運転ばかりでなく、エアポートアクセスとしての重要性も増してきているのが最近の京急のイメージです。
しかし、そんな国際的な匂いも漂う中、かなり短い間隔で設けられた数多くの小さな駅をひと駅ひと駅丹念に停まって行く各駅停車にはそういった印象とはまた違った良さが感じられます。
旧東海道沿いの下町を細かく頻繁に停車しながら結んでいく、ある意味で今どきの路面電車的な存在です。

京急800形電車
2012年3月11日 品川-北品川 間

そんな各駅停車の運行を担っている電車のひとつが、この800形車両です。
ロックバンド くるり の歌の通り、赤い電車です。
赤いボディに前面のフロントガラスのまわりだけ白いので、“だるま”という愛称がつけられたりもしています。

一両あたり18mの車体は、京急だけでなく京成や北総鉄道、芝山鉄道など都営地下鉄浅草線を経由して京急に乗り入れる全ての車両の標準で、首都圏や関西圏のJR線を走る通勤電車に比べて2m短くコンパクト。
その代わりに線路幅は、JR在来線の1,067mmに対して京急線や都営地下鉄浅草線は新幹線と同じ1,435mmで、安定感が違う気がします。

京急800形電車
2012年2月18日 品川駅

そんな短躯に、片側4か所に設けられた側ドア。
鉄道ファンの間では一般的に、“片開き4ドア”と呼ばれています。
急行や特急、快特などに使われるほとんどの車両は両開きのドアが3か所だけなので、それらの車両を見慣れた目にこの800形は「ドア多いなぁ」という印象が否めません。
それでも、両開き扉のように縦長のガラスが含まれずに、側窓、戸袋窓、扉のガラスの全て、ほぼ同じ大きさの角丸の正方形が並ぶという美しさがあります。

京急800形電車
2012年6月24日 青物横丁駅

短時間で大量の乗客をスムーズに乗降させるためにはドアの数が多くすべし。
第二次高度経済成長期最中の1967年から作られた初代の片開き4ドア車、700形はこういった思想を基に造られ、それを受け継いだ800形は1980年代から今日まで、京浜地域の街の脚として活躍していて、京急電車の中では唯一、従来の京浜工業地帯の脚がメインだった時代の野太く力強いイメージを残しているような電車です。

京急800形電車 扉(外観)

京急800形電車 扉(内側から)
(上)2012年2月18日 品川駅
(下)2012年6月24日 鮫洲駅

18m長の車体に側ドアを4か所設けた車両ということでも日本で唯一なのですが、首都圏の大手私鉄の通勤電車で片開きの扉というのも、ついにこの京急800形だけになってしまいました。
新幹線やモノレールに路面電車、ゆりかもめなどの新交通システムではむしろ標準といった感じで片開きが採用されていますので、あまりぴんと来ないと思いますが、首都圏一般の電車は今や両開きが当たり前。
混み合った800形に乗り込んでドアの際に立った時には、開いた空間の向こう側からすごい勢いで閉まってくる扉にちょっとした恐怖感を覚えたりします。

街の小さな駅全てに停まって乗客の乗り降りを裁きながら、駅間では猛ダッシュとGを感じる急減速を繰り返し、時に待避駅で何本もの快特や特急に抜かれて高速列車の速達性を成立させる京急の各駅停車。そんな地味ながら頼もしい電車がこの“だるま”電車、800形。
駅に停まれば側面の四角いガラスが3つおきに扉として開きます。

京急800形電車
2012年6月24日 平和島駅

既に数編成かが廃車解体されており、今後も新しい車両への世代交代が進むと思いますが、現役でいる間はその無骨ながら質実剛健な走りと造りを楽しみたいと思います。


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Re: 焼酎学生さま

お褒めの言葉、ありがとうございます。
最初のころはやはり、クロスシートのある2100形や600形の方が嬉しかったのですが、最近は各駅停車を利用する機会も多く、800形の良さがわかってきましたね。

阪急電車は、縁があってボクもよく乗ります。
京都線の6300形特急、もうすっかり第一線を退いて、今は更新された休日専用車両と嵐山線用に改造短編成化した車両にしか乗れなくなってしまいましたが、現役の時は美しかったですよね。
その先代の2800形は花形の特急だった時代は目にすることはできませんでしたが、晩年、千里線で3扉化された姿になってから乗れた時には感激したものです。

京急や阪急のように、統一されたブランドイメージを打ち出す私鉄は、一見、多彩さに乏しいように見えますが、その分、美しさがあるとボクは思っています。

阪急は木目調の内装にグリーンのシートも、好いんですよね。

No title

京急800形への愛着がひしひし感じられる名レポートです。
色が似ている阪急電車は、僕が最もよく乗った電車でした。ご存じのように、クロスシートの特急でも同色です。
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