夕・力・口・丿・工・二・卜

夕・力・口・丿・工・二・卜

「た・か・ろ・の・え・に・と」ではありませんよ。
「ゆう・ちから・くち・へつ・たくみ・じ・ぼく」
カタカナの“タ”(JISコード:253F)に対して“夕”(JISコード:4D3C)は音読みで“セキ”、訓読みで“ゆう”と読む漢字です。
同じように、カタカナ“カ”(JISコード:252B)に対して“力”(JISコード:4E4F)は漢字。
カタカナ“エ”(JISコード:2528)に、漢字の“工”(JISコード:3929)、…とまあそんな具合の漢字たちで、ボクは勝手に“カタカナもどき漢字”と呼んでいます。

遊助御大が八戸旅行の記事で引用した、南部一之宮の櫛引八幡宮草創の説明にあった「霊地をトして櫛引村に 宮社を造営し」という一文。
その“トして”という言葉に、焼酎学生さんが「『トして』の『ト』。漢字を教えてください」と訊きました。
いやいや、“トして”は「ぼくして」と読む漢字ですから…。

“トして”は三省堂「スーパー大辞林」によれば、①占いをする ②占って定める とあります。
この櫛引八幡宮の「霊地をトして…」とは、②の「霊地を占って定めて」という意味なのでした。
“ト”は、“夕・力・工・二・口”とは違って、日常ではなかなか出会わないカタカナもどき。“ト”はその中で二番目の難読漢字です。(あ、これ、ボクの独断ですが…)
そのむかし、左卜全(ひだりぼくぜん)という喜劇役者がおりましたっけ。

そして最高に読めない漢字が“丿”(JISコード:5028)です。
「へつ」とか「へち」と読むそうで、最古の部首別字典「説文解字」には「右より戻るなり。左に引く形に象る(かたどる)」とあるそうです。
“人”という漢字の右側の払いがない分、「いまだ“人”におよばない」という説はあるようですが、身の回りの辞書やネット上ではその意味がわかる文献は見つけられませんでした。

千利休のライバルといった存在に 丿貫(へちかん) という伝説的な茶人がいたそうです。
たったひとつの手取釜で茶の湯を湧かし雑炊も作ったという“詫び”の人で、コミックの「美味しんぼ」や「へうげもの」にその名を持つキャラクターが登場しているとのことなので、千利休をぎゃふんと言わせた人物に興味をもたれた方はぜひとも調べてみてください。


さてここからは蛇足です。
“カタカナもどき漢字”に対して、“カタカナもどきくずれ漢字”もあります。(これまた勝手にボクの命名です)
カタカナ“ヌ”に対する“又”、カタカナ“オ”に対する“才”、カタカナ“ヒ”に対する“匕”。
“ハ”に“八”、“ホ”に“木”なんてきてしまうと、もはや“なんちゃってカタカナ漢字”です。


あれ? 今日は全文、ホント、蛇足みたいな話でしたね…。

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まとめtyaiました【夕・力・口・丿・工・二・卜】

「た・か・ろ・の・え・に・と」ではありませんよ。「ゆう・ちから・くち・へつ・たくみ・じ・ぼく」カタカナの“タ”(JISコード:253F)に対して“夕”(JISコード:4D3C)は音読みで“セキ”、訓読みで“ゆう”と読む漢字です。同じように、カタカナ“カ”(JISコード:25...

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Re: kyさま

そもそも、元の記事を改めて読んでみると、カタカナじゃなくて漢字なんですよという説明が弱いですよね。
一番大事なところをうまく説明し切れていないままに、“丿貫”みたいなインパクトのあるネタを出してしまったボクの力不足です。
(…あ、これは「かぶそく」ではなくて、「ちからぶそく」ですからね)

左卜全さん、かなり個性的な役者さんでしたね。
名前の表記もひょうひょうとした、とぼけた感じがあって。
そのままだと、“さとぜん”って読んでしまいそうです。

ひぇ~っ(汗)
I.Z.さんに、これだけ丁寧に説明していただいてるのに、カタカナのノとへちの漢字の違いが、、ち、違いがわけわからんかったです( ̄□ ̄;)ショック~!しかも携帯の変換でないし(二重のショック~)
立ち直れないのでもぉ…寝ます!!←寝るんかい!?
ご丁寧にありがとうございました(深々感謝!!)
あぁ‥本当に深いですね人生って!!身にしみて感じます勉強になりました。
いつもありがとうございます。
ぺらっぺらの薄っぺらい人生しか生きてない私には新鮮かつこたえます。恥ずかしいゼィ(赤面)←言葉遣いからしてまずダメ!
失礼いたしました。
左ト(←これもまた違いますか?)全さん、なかなかの個性的な俳優さんですね~何だか“間”がぬけてるような‥??いえ、ゆ、愉快な感じで(笑)

Re: kyさま

へちかんは、“ノ貫”じゃなくて“丿貫”ですからネ。(笑
ケータイからではムリなのかもしれませんけど。

湯を沸かすのも雑炊をつくるのも同じひとつの釜をつかったという丿貫は、しばらく前にはやった言葉で表現するならば“清貧”の人で、詫びといいながらも高価な茶具を使っていた千利休を批判していたそうです。

一方の左ト全は、黒澤明監督の作品に多く出演した昭和の喜劇俳優さんです。
♪ズビズバー♪で始まる「老人と子供のポルカ」は、左ト全が76歳の時に歌ったデビューソングで、おじいちゃんと子どもたちの歌声と左卜全の発する擬音で一大ブームになった曲でした。
当時、ボクも良くおどけて歌っていましたっけ。
調べてみたら、けっこう社会的なメッセージが込められた曲だったようですね。
ぜひともYouTubeとかで調べてご覧になってください。

丿貫も左卜全も、カタカナもどき漢字を使うような人たちは、やはりちょっと違う個性の持ち主のようですね。

Re: 焼酎学生さま

博識なんて、とんでもございません!
ちょっと興味を抱いたらさくっと検索-
ボクのBlogはそんな記事で成り立っています。(笑

「へち」の“丿”とカタカナの“ノ”は、共に“乃”から派生したものだそうですが、他の漢字はカタカナの元の漢字と起源が異なるものもあるようです。
ひとつ調べると、そこからさらに別のことに興味が湧いてくることがありますね。
文化にはそれが発生した起源があります。ボクはそういったことに興味を感じる傾向にあるようです。

Re: yuusuke320さま

蛇足・補足・忍び足 
満足・不足・ムカデ足

…御大、ボクが記事化する前に、勇み足、お願いします。(笑

ノ貫(へちかん)ですか?初めて聞きました。名前といい読み方といい、茶人だったなんて、、しかもお茶をわかす釜で雑炊ですか?
あまりの斬新さにただただビックリ驚きです。
ところで…左ト全(ぼくぜん)←こんなお名前と読み方にも、、二度ビックリ!!で、歌手ですか?なに時代の人?明治?大正??やめてけれゲバゲバ♪って、何をやめてって言ってるの?またまた的外れなコメントばかりしちゃってスミマセン。
勝手に自分で調べろ!人のブログでなに質問してる!と叱られそうですが、、やっぱり!?教えてください是非是非。

No title

遊助さんといい、I.Z.さんといい、なかなかの博識に驚いています。

「天麩羅」「襦袢」というポルトガル語に漢字を当てた日本人ですが、読めない人むけにカタカナを添えたそうです。
片仮名が漢字の全部または一部から作られたことは、皆さんご承知の通りです。
でも、和歌・短歌や女性文字には使われませんでした。

ツラの皮が篤いオイラなり。

 どうして、どうして・・・
 蛇足・補足・忍び足 
 満足・不足・ムカデ足

 きっと、明日あたり、“遊ぶ”ことができるI.Z.さん本当に素敵。
 なるラブレターが届くことでしょう。

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