奈良の大仏で思い出すこと

今から20年ほど前の話。
ロンドンの語学学校にイタリア系スイス人、Enzo(エンツォ)という男性が勉強に来ていました。
年齢はボクより少しだけ上、かな…。
身長は175cmほど、もしゃもしゃ頭に分厚いレンズのメガネのやせっぽち。
カッコ好い白人というよりは、いわゆる“ヘンな外人”というタイプの男です。
保守的すぎて外国のことを知ろうとしないスイスの人たちの考え方を嫌い、エンツォはロンドンの学校では積極的にアジア人、特に東アジアの人たちに声をかけ友だちになろうとしていました。
そんな彼の英語は、もうほとんど完ぺき。ボクたちにしてみれば、限りなくネイティブに聞こえるほどのレベルでした。
ならば、なに故に語学学校に?
まあ、その辺はボクたちの英語のレベルが未熟なので聞き出せなかったのですが…。

そんなエンツォが突然、思い立って日本と香港へ2週間ほど旅行に出かけてしまいました。
(そもそも、ロンドンにいること自体がバカンスだったんじゃないのかなぁ…)
日本は大阪の友だちと合流して、関西に5日間ほどいたそうです。

そんなエンツォがロンドンに戻ってきて、楽しそうに土産話をしてくれました。
「僕は発見したんだよ。奈良の大仏を見て、わかったんだ!」
「どういうことを?」
「奈良の大仏は、立ち上がると頭が天井を突き破ってしまうような家に住んでいるんだ。大仏は自分より小さい家に住んでいるんだよ!」
「…なるほどねぇ」

東大寺 大仏殿
東大寺 大仏殿 奈良の大仏


もの知りのクセしてピュアだったなぁ、エンツォ。
今頃何しているのかなぁ? もうそろそろ50歳でしょ。
奈良の大仏というと、なんだかいつもこのエンツォのことを思い出すんですよね。
とても楽しそうに奈良で見てきたことを話すエンツォの姿を。
今頃何しているのかなぁ?
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