
関西で先行ロードショーとなった映画
『阪急電車 -片道15分の奇跡』を、映画の舞台となった地元のひとつ、西宮で観てきました。
その昔、角川映画が創設された頃にCMで語られていたコピーに「読んでから観るか、観てから読むか」というのがありましたが、う~ん、この作品は受け手側の求めるもので大きく変わってくる作品なのでしょう。
阪急今津線沿線に住む人たちにとっては原作を読むかどうかにかかわらず“観てみたい”でしょうし、阪急の電車や沿線の風景が好きな人たちには観る方がいいでしょう。
一方で、物語そのものをしっかり楽しみたい口にはやはり原作を読んだ方が間違いなくいいはず。
ボクは、読んでから観ることをお薦めしたいと思います。
ボクにとって阪急今津線は、特別な思い入れのある路線ですし、ときどき利用もしている路線ですから、ある意味ではこの映画をニュートラルな視点で観ることはできませんでした。
馴染みの駅があるのですが、思いの外、映像としては取り上げられておらず、一度も乗り降りしたことのない「小林(おばやし)駅」がけっこうな舞台になっていたりすると、たとえ原作の通りとはいえ、ちょっと「あ~、残念」と思ってしまったりしてしまうのです。
そうはいいながらも、阪急今津線の沿線の風景をきれいに織り交ぜて、また実力派の演技陣がしっかりと演じる、とてもさわやかな作品に仕上がっておりました。
観るときっと、今津線沿線に住みたくなりますよ、きっと。
-映画館を出るときに、いっしょに見終わった人たちの会話に、「あんた、しっかり映っとったな」とか「オバヤシ、それほどええトコちゃうで~」などといった地元ならではの感想を耳にできたのも、なかなかおもしろい体験でした。

見終わって乗った、終電間近の阪急今津線。
下車した駅を離れる様子を見ながら、否が応でも、温かい人たちばかりが乗っていたに違いないと思ってしまうのでした…。
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