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映画 『きっと、うまくいく』

舞台は日の出の勢いで躍進するインドの未来を担うエリート軍団を輩出する、超難関理系大学ICE。
未来のエンジニアを目指す若き天才が競い合うキャンパスで、型破りな自由人のランチョー、機械よりも動物が大好きなファラン、なんでも神頼みの苦学生ラージューの “ 三バカトリオ ” が、鬼学長を激怒させるハチャメチャ珍騒動を巻き起こす。
彼らの合言葉は「きっと、うまくいく!!」
抱腹絶倒の学園コメディに見せかけつつ、行方不明になったランチョーを探すミステリー仕立ての “ 10年後 ” が同時進行。
その根底に流れているのは、学歴競争が過熱するインドの教育問題に一石を投じて、真に “ 今を生きる ” ことの素晴らしさを問いかける万国普遍のテーマなのだ。

映画 『きっと、うまくいく』 公式サイトより

映画 『きっと、うまくいく』 公式サイト


映画 『きっと、うまくいく』


要領の悪いボクにとって慣れない仕事、馴染みのない作業に土日の出勤も致し方なしと、ストレスフルな勤務の続くここ数ヶ月。
5月末である程度大きな山をひとつ越えたので、気晴らしにスカッと脳天気な映画が観たいとインド映画を見に行ってきました。
“スーパースター”、ラジニ・カーント主演の映画のように、大笑いして幸せな気分に包まれて映画館を出てきたい…。
ところが思いの外、心をぐっと握られるエピソードが随所に盛り込まれていて、思わず涙というシーンの多い映画でした。
-ボクは友情の厚さに強く打たれる傾向にあるようなので、テキメンでした。(笑

日の出の勢いで経済成長の進むインド。もともと数学に強く英語も話せるので、特に理系の分野で世界の表舞台に頭角を現し始めていますが、そんな理系エリートの卵たちが集い、学んで巣立つ名門工科大学「ICE」を舞台に、落ちこぼれの3人が引き起こす騒動を描く学園コメディ映画です。

しかし、名門の誉れを支えるのは、記憶重視の教育であり、大半の学生たちは卒業のためにテキストを覚え、試験で及第点を獲ることにばかり注力しています。
そうした背景から、インドでは学歴社会にくじけた大学生の自殺率が非常に高いのだと、映画の中でも語られていました。

そんな中、機械がなにより好きでものごとに対する好奇心が旺盛故に学ぶことが大好きなひとりの学生ランチョーが、詰め込み教育を強要する教授や、学校の名声維持だけを考える学長などをあらゆる手でぎゃふんと言わせていくというストーリー。
しかし、ランチョーが求めるのは教授や学長への懲戒ではなく、社会が陥っている偏重の是正。
親友の苦境を目の前に、天才的にひらめく知恵と明るく情熱的な行動力で問題を改善の方向に向けていくのですが、そんな中でも絶体絶命な時に心で唱える言葉がこの作品の邦題、「きっと、うまくいく」です。
作品の中ではインドなまりの英語で「All is well」(“アーリズウェル”的な発音)と言っていますが、これがなかなかよく考えられた言葉でした。

現代社会でよく「ポジティブシンキング」という言葉を耳にします。
いわゆる「プラス志向」という考え方ですが、どんな事態でも意図的に肯定的な方向に考えようとするとその努力だけで精神的なストレスが生じかねません。
しかし、「きっと、うまくいく」と信じて策を講じることは、自ら最善の策と信じて挑むことでたとえ失敗しても成功への可能性は残されますし達成感もあるのです。
誰も自分の将来などわからない。だけど、夢に向かって努力しろ!-
「きっと、うまくいく」は、そのための呪文のような言葉だったのです。

「プラス志向」ではなく「楽観主義」。
そんなランチョーですが、自身が苦境に立った時には意外にも行動が停まりがち。
そんな時に、自分の考えを整理して一歩踏み出す勇気を鼓舞するために心で唱えます。
「うまくいく。きっと、うまくいく」

コメディと熱き友情が詰まった2時間50分。
それだけでなく、色彩豊かで、お決まりの歌って踊るシーンや、美女登場のシーンでは例によってスローモーションになりどこからともなくそよ風が吹きます。またこの作品では、北欧やスコットランド、北米カナダなどを連想させるような大自然が映し出されるシーンも隠れた魅力です。

笑って大泣き。終映直後に客席のどこかからか拍手が湧き起こりました。
結果的に、「きっと、うまくいく」というエールをもらい日々のストレスをしばし忘れて、当初の期待通り、スッキリした気分で映画館から出てくることができました。
-またひとつ映画に救われました。






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